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アイズ新聞

ワンちゃんと暮らす上で欠かせないのが、法律で決められている「狂犬病」のほかに「混合ワクチン」があります。
この混合ワクチンは、一体どんな病気の予防になっているかご存知でしょうか?
「なんだか毎年打っているけど、どんな病気の予防なのかいまいちわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

混合ワクチンは2~9種までありますが、一般的には4~9種までが接種されるようです。
その中で、予防できる病気が決まってきます。

ワンちゃんの飼育環境や地域性によって、どの種類のワクチンを接種すれば良いのかは変わってきますので、獣医さんにご相談してください。

それでは、ワクチンで予防できる感染症についてご案内します。獣医ではないので、あくまでも補助知識としてご活用していただければ幸いです。

ジステンパーウイルス感染症

症状: 嘔吐、下痢、粘血便、発熱、咳、くしゃみ、流涙、結膜炎、神経障害、痙攣、全身麻痺など

感染した犬の鼻水、唾液、尿などとの接触感染や飛沫感染します。子犬の感染率、死亡率が最も高く最も恐ろしい病気です。
ウイルスが体の各組織に侵入し、そこに潜在する細菌との混合感染により様々な症状を引き起こすので、他の病気に感染していたりすると多様な症状が出て 診断が困難になる場合があります。
風邪と似たような症状が見られますが、ジステンパーには特有の神経症状があります。神経症状が出始めると死亡率は上がり、回復出来た場合も後遺症が残ることがあります。

パルボウイルス感染症

症状: 激しい嘔吐、下痢、トマトジュース状の血便、脱水症状

ジステンパーウィルスとともに、子犬の死亡原因として多いのが「パルボウイルス感染症」です。
激しい嘔吐や下痢が特徴で、子犬の場合体力がすぐに奪われてしまいます。 感染した犬の排泄物や吐物が主な感染経路で、ウイルスが付着した衣服などからも感染します。

犬伝染性肝炎

症状: 嘔吐、発熱、下痢、腹痛、肝性脳症、神経症状など

感染した犬の便や尿との接触によって感染します。
犬アデノウイルス1型の感染が原因で起こる病気です。 症状は軽度な物から重度なものまで様々ですが、子犬が感染した場合の死亡率は高く、他の病気との混合感染を起こすとより死亡率が上がります。

犬伝染性咽頭器官炎

症状: 発熱、くしゃみ、咳、目ヤニ、鼻水など

感染した犬との接触や、咳やくしゃみなどの飛沫で感染します。
犬アデノウイルス2型の感染が原因でおこる病気です。 この病気単体の感染はあまりではないのですが、混合感染による肺炎などが重症化しやすいです。

犬パラインフルエンザ

症状: 咳、鼻水、扁桃炎など

飛沫などに含まれて空気中を飛び、呼吸器へ感染します。
風邪のような症状を突発的に起こします。ウイルスの単独感染では軽い症状の場合が多く、ほとんどは1週間~10日前後で回復します。
アデノウイルスや細菌との混合感染により肺炎など???

コロナウイルス感染症

症状: 元気消失、食欲不振、血便、下痢、嘔吐

感染した犬の排泄物や吐物が主な感染経路です。 パルボウイルスとの重複感染によりパルボウイルスの致死率を上昇させると言われています。

レプトスピラ感染症

症状: 風邪のような症状、肝障害、腎障害、黄疸、痙攣、昏睡、血便など

レプトスピラ感染症は、山などに行くワンちゃん・室外飼育のワンちゃんには接種が必要です。
室内のワンちゃんは接種する必要がない場合が多く、またアレルギー反応が起きやすいワクチンとして有名ですので、必要性に応じて接種されます。

主な感染経路は感染した犬の尿の経口あるいは皮膚からの感染、汚染された土壌、ネズミによる媒介などです。
レプトスピラ感染症にはいくつか種類があり、現在は2種または3種の血清型が使われていることが多いようです。
レプトスピラは菌が原因でおこる病気で、抗生物質が効きます。この病気は人にも感染します。

狂犬病

狂犬病とは、人を含むすべての哺乳類に感染する死亡率ほぼ100%の極めて恐ろしい神経系の病気です。
水を飲むときに、その刺激で痙縮が起こり苦痛で水が飲めないことから「恐水症」とも呼ばれています。
現在でも日本の周辺諸国を含む世界のほとんどの地域で依然として発生しており、それらの国々と輸出入をしている日本は常に侵入の脅威に晒されています。

狂犬病に感染すると、人では風の刺激を怖がる、恐風症症状や、喉頭筋の麻痺により、水を飲むとひどく苦しむため、水を怖がる、恐水症症状などが発現します。
やがて麻痺がおき、さらに昏睡状態に入り、呼吸麻痺によってほぼ100%死に至ります。

動物では、凶暴になり、何にでも咬みつき、牙は折れ、 口の中が傷だらけになります。
その後、麻痺は、脳から遠い後肢から始まり、 協調性運動失調(左右、前後、上下などのバランスをとって運動することができない。たとえば、歩行など)がおこり、次第に全身に広がります。
また、中には興奮の時期が見られず、いきなり麻痺が始まる場合があります。
最終的には人と同じく、昏睡状態から100%死に至ります。

日本では犬の感染が分かった場合には「隔離をすること」「治療をしないこと」「殺処分もやむを得ないこと」が法律に定められています。
また、人に対しての治療法も現在の高度な医学でも発症後の有効な治療法はなく、世界では毎年約50,000以上の人と十数万の動物が発病死していると推定されています。

予防と対策についてですが、第一に日本では狂犬病の予防注射を行うことが犬を飼う人に義務付けられています。
その理由は、感染症の発生を防ぐには予防注射の注射率が最低でも70%以上なければならないとされているからです。

近年の日本国内での狂犬病発症の原因は「海外旅行へ行った際に野良犬に咬まれ、そのまま帰国。その後、発症」というものです。
狂犬病を日本国内へ持ち込まない、狂犬病に発症しないようにするには、海外旅行へ行った際には無闇に見知らぬ動物に触らない、野良犬には近づかないことも大切な予防法です。

生後90日以上の犬に狂犬病予防注射をすることは、飼い主の義務です。
予防注射をしていないことが分かった場合は20万円以下の罰金、そして何より日本で動物に狂犬病の発生が発見された場合、予防注射をしていない犬は真っ先に処分の対象になると思われます。
大切な愛犬を守るためにもしっかり予防注射を受けましょう。

フィラリア

フィラリアは蚊を媒介とする寄生虫で、別名を犬糸状虫といいます。
成虫はそうめんそっくりの姿をしていて、 長いものでは30cmにもなり、成虫では約5~6年もの間心臓や肺動脈に寄生します。
寄生されると呼吸が苦しくなったり、血液循環がうまくいかなくなったりするので肝臓や腎臓にも影響が及んで衰弱し、死に至ります。
フィラリアに感染してもすぐに症状は出ず、多くは数年が経過してから症状が現れます。
しかし、症状が出たときには既に重症ということも少なくありません。

初期症状としては「息が浅く速い」「荒い呼吸音がする」「咳」「元気がない」 などがあり、やがて「お腹に水が溜まる」「食欲不振」「嘔吐」「貧血」「血尿」 などの症状がみられるようになります。
高年齢の犬に症状が出やすいため、 部分的にしか見ていないと歳をとって弱くなったのだとか、吠えてばかりいるせいで声が枯れたと勘違いしてしまう飼い主さんもいるようです。

フィラリア予防には蚊が活動するシーズンと大きな関係があり、投薬期間は「蚊が活動を始めてから1か月後から蚊が活動しなくなった1か月後」とされています。そのため、同じ日本でも地域により投薬期間が異なります。

群馬県では6~12月の投薬が目安です。
詳しくは地域差もあると思いますので、 詳しくは獣医さんに聞くことをおすすめします。
また、フィラリアの予防薬は要指示薬です。犬の体を検査もせずに獣医さん以外の人から入手した薬を使うと、薬の作用で死んだ虫が血管に詰まって突然死することもあります。

その他にも、フィラリア予防薬は犬の体重によって投薬量が決められています。
この投薬量を守らないと、予防薬の効果が得られなくなります。

フィラリアの予防をせず蚊のいるシーズンを3回越えた犬は100%近くがフィラリアに感染しているという統計があります。
人間が刺されないからといって蚊がいないとは限りません。人間より地面に近い犬は、より蚊に刺されやすいです。
また、蚊取り線香などにより蚊を減らすことはできますが、刺されることを完全に防ぐことはできません。
フィラリアはきちんと予防をすれば100%感染を防げる病気です。防げる病気にさせてしまうことはとてもかわいそうだとは思いませんか?
暖かくなって蚊が出てくる前に、きちんと検査を受けて予防薬を準備しましょう。

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